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2012年猛夏の掲示板

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 Re: 「近未来のエネルギーと環境」
 2012/08/18 11:07
塩見真一
駅の掲示物つながりでもうひとつ。宇部線草江駅(山口宇部空港の最寄り駅)の待合室に掲示されていた時刻表の欄外注記です。

私がこれから乗ろうとしている列車には「ワンマン列車」マークが付いていて、その意味はいいとして、「休日ワンマン列車」というのはどういう意味でしょうか。「休日にワンマン運行する列車」という解釈は間違いないでしょうが、問題は平日です。「平日は運行しない」という解釈も、「平日はツーマンで運行する」という解釈も、どちらも成り立ちますよね(「平日は無人運転」という解釈も線区によっては成り立ちます)

……そうだなあ、運行するかしないかは利用者にとって重大な違いだから、もし「平日は運行しない」のだったらこういう書きかたはしないよな。つまり「平日はツーマン」なんだろうけど、どう書けばそれを誤解なく表現できるかな……。

とか考えながら、来た列車に乗ったら、車掌が乗っていて車補を発券してくれました。ワンマン列車のはずなのに、なあ。

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 Re: 「近未来のエネルギーと環境」
 2012/08/17 11:53
塩見真一
もひとつ、授業の中で面白かったこと。面白かったというか、溝田先生のご自宅がいろいろと話に出てくるんですが、それが私には興味深く、かつ羨ましい家なんですね。

まず屋根の上には太陽電池パネル。6.5平方メートル、定格4.8kW、屋根の傾斜と緯度から考えると6%損している計算になるそうですが、それでも気候条件がいいこともあって年間1100kWh発電しているそうです。14.5年で償還できる予定だったのが、このあいだ買い取り価格が上がったので11年くらいで済みそうだとか。
続いて裏庭には二羽の鶏……じゃなくて夜間電力を使う温水給湯器と、4坪の家庭菜園と、300リットルの雨水タンク。雨樋からタンクへの導水管は自作したそうですが、菜園用水として使い夏場の2ケ月で20立方メートル、水道料金にして3000円の節約になっているとか。
家の中を見ると、木で枠を作りビニールシートを張った簡易2重窓、ただし枠の隙間から冷気が漏れるのでまだ改善の余地があるそうです。それと、カーテンの上下を押さえるカーテンポケット。青森の授業でも住宅の省エネはまず断熱、特に窓、ガラスとサッシ、という話が出ていたので面白かったですね。

やー私だって家を持ってたらそういうことしたいよなあと、屋上菜園と壁面緑化、それから生ゴミ排泄物のメタン発酵設備も作りたいなあと、そう思ったのでした。

写真はまたしても授業と関係なくて、大歳駅のホームにあった学校案内板。山口駅には5校並んだものもありましたが、いやまあなんと言ったものやら。

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 「近未来のエネルギーと環境」
 2012/08/16 12:58
塩見真一
……という面接授業を、本州のもう片方の端っこ山口へ行って受けてきたのでそのまとめ。

講師は山口大学名誉教授の溝田先生、私は初日に15分ほど遅れて行ったので自己紹介など聞けなかったのですが、その後話に出てきたことからすると結晶物理がご専門だったようです。
レジュメから各時限の題目を抜き出してみると、「1. エネルギーとは何か」「2. エネルギーの色々な存在の仕方」「3. 水とエネルギー、エントロピー」「4. 石炭、石油、原子力などの高いエネルギー密度と産業、太陽エネルギー」「6. 電力の社会的意義」「7. エネルギー効率の実際」「8. 快適な生活のために」「9. 再生可能エネルギーとその未来」、……むう、9まであるのはおかしいですが、……そうか、5が抜けてるのか、まあこんな感じです。題目には表れていませんが、たとえばポットで湯を沸かすのにどれだけのエネルギーがいるか電気料金としてはいくらか、地球上の居住可能な陸地は一人当たりどれだけの広さか、日本の農耕地全部を太陽光発電所に変えるとどれだけの発電量になるか、同じ面積でコメを作るとkWhに換算してどれだけのエネルギーになるか、ガラス窓から逃げる熱はどれだけかプチプチを貼るとどうか、といったような計算をしてみたのが特徴的でしたかね。

いやこうしてみると、なにもわざわざ山口くんだりまで行って聞く話ではなさそうですよね。それも、この授業どういうわけか木曜金曜の2日間で、私は実を言うとてっきり土日だと思って申し込んだものだから、けして暇じゃないのに仕事を休んで行く羽目になったわけですよ。やれやれ「かかる不合理な受講のために筆舌に尽くしがたい精神的苦痛を受けたから賠償せよ」とか言われたらどうしようかな。

まあそうだな、今期いくつか受けてきたエネルギー関係の面接授業のまとめと考えて、「化石燃料から再生可能エネルギーへの移行にあたって社会が変わらなければならない」ということが理解できたと言えるでしょうか。この授業で指摘されたのは、化石燃料が支えるシステムから利権を得てきた人々がいるのだということ、その人々を切り捨てない移行策を考えるべきだということ。たとえば、現在の電気料金のしくみだと、世の中が節電に動くとしても電力会社がその動きを支持するはずがありませんよね。「みんなが節電すると電力会社が儲かる」というしくみにできれば、社会全体の電力需要はたしかに下がる方向に向かうでしょう。どうしたらそんなしくみにできるのか、とりあえず私には想像がつかないんですが、とにかくそういうような発想の転換があちこちで必要になるのだと、そう理解してきたのがこの授業の収穫でした。

写真は、授業と関係ないんだけど山口大学正門付近のハス畑。ほのかにロータスの香りが漂っていました。

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 北九州のあの提訴
 2012/08/15 13:49
塩見真一
小人閑居為不善。客先がお盆休みで暇になったところで、北九州の一部市民が市と宮城県を相手取って起こした訴訟について、少し調べてみました。ほっときゃいいんだけどどうもやっぱり腹が立つ、かつ、何か話がおかしい気がしますんでね。調べてみたら「九州ひまわりプロジェクト」と言うんだそうですよ、ブログがあって、彼らの主張と呼びかけのあれこれと、訴状そのものもWebに載っていました。それらを読んで、半日考えて私の見かた・意見がまとまったので述べておこうと思います。

経過をたどると長くなるので……あと、なぜ読んだ瞬間に判断できなかったか自分で情けなくなるので……最初に結論を述べますが、「九州ひまわりプロジェクト」が件の訴訟を起こした真意は(がれき搬入の阻止ではなく)北橋市長個人・村井知事個人に対する攻撃です、そう私は判断しました。

判断しましたというより、Webにそう書かれているんですよね。「全国より原告人を募集しています。」というページ(http://kitahasisojou.blogspot.jp/)です。
【私たちがなぜ訴訟を起こすのか:損害賠償請求について】
私たちは被災地への損害賠償を求めているのではありません。
損害賠償請求訴訟は本意ではなく、お金が目的でもありません。
しかし日本の法律では、北九州市北橋市長や宮城県村井知事という、役人個人の行為の違法性を確認する直接的な訴訟が認められていません。そのために、個人の権利の行使である損害賠償という方法をとらざるを得ないのです。
この損害賠償請求は、北橋市長と村井知事の違法性を確認するひとつの方法です。

あらためて読むと、市長個人・知事個人を訴えようとしていることが明らかなんですが、情けない、私はいっぺん読み飛ばしてしまいました。その後、訴状(https://docs.google.com/open?id=0B2a9lA68BLrEVGx5ZHkwZkZNakk)を読み、どうも話がねじくれていること、つまり、被告は北九州市・宮城県であるのに本文では北橋市長・村井知事がやり玉に挙げられていることに違和感を覚えて、読み返してみたら2ページに次の記述があったんですね。
第1 当事者
1 被告北九州市は、訴外北橋健治を市長とし、同人を公権力の行使に当たらせている地方公共団体である。
(途中省略:宮城県について同様の説明と原告についての説明)
4 (1) なお、いうまでもなく本件違法行為者は北橋建治市長、村井嘉浩宮城県知事個人である。しかし国賠法上、個人責任の追及を許さないのが最高裁判例であるので、北九州市や宮城県自体に本件訴訟を提起せざるを得なかった。
 (2) しかし、本来同市・県は、同人らの被害者であり、北橋市長並びに村井知事は本件請求が認容された場合には、自主的に市・県に弁償すべきことを付言する。

いやおかしいよ。私ゃもとより法律の専門家ではないし裁判や訴訟についても聞きかじりの知識しかないけれど、しかし、こんなにねじくれた論理が必要だというのはおかしいと思う。日本の法律・制度は公務員に対して民間人に対するよりも格段に厳しいはずで、市長や知事の行為を咎めるのならもっとストレートな方法があっていいはずです。
というより、なぜ市・県に対してがれきの広域処分をするなという訴訟を起こさないんですかね。広島県に対して鞆の浦に道路を造るなという訴訟があったでしょうが、あれと同じことじゃないんですかね。

……と、ここで私はURLに気が付きました。「kitahasisojou」……北橋訴状ですよ。「garekisojou」とかではないんですよ。
いやはや実に情けないですが、私はここまで来てやっと、上に引用した2つの文章に書いてあることの意味がわかったわけです。真意と言ったけどそれほどのことはない、そう書いてあることなんですがね。

まあ、私としては自分が理解したことで十分ですからこれ以上は言わないことにしますが、そうだなあ、裁判の経過によってはまたなんか言いたくなるかもしれません。とりあえず、次の学期で私は放送大学を追い出されるので、最後に法律・法学系の科目を取っておこうと思いました。

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 Re: 『「富士見」の謎』
 2012/08/14 11:34
塩見真一
ちなみに、この本で言う「理論」にたいして意味を感じない理由、富士山がどこから見えるか見えないかに私が興味をひかれない理由のひとつ、かもしれない写真。

何が写っているかは説明しなくてもわかりますよね。撮ったのは2010年5月に松江へ行ったとき、つまり羽田から米子へ飛んだときです。米子便に限らず、羽田から西日本各地へ飛ぶ便でA列つまり左の窓側、翼の上でなくて窓のある席に座っていればたいていこんな光景が見られますよ。ハードディスクをひっくり返してみたら、広島便、小松便、高松便、お、宮崎便でも右側かなり遠く雲海の上に見えてますね。
いやたしかに美しい山だと思います。日本一高いことを抜きにしても、独立峰だし形状も特徴的で見れば必ずわかるし、てゆうか早い話、私が近くを飛ぶたびにこんなふうに撮影しているのはつまり「絵になる山」だからですよ。

しかしまあつまり、こういうふうに上空から見下ろす経験をしてしまうとね、や、実は高松便はもっと近くを飛んだのでほんとに真上から火口を覗き込む形になって、つまりなんだ、そういう光景まで見てしまうともう、地上のどこから見えようと見えなかろうとたいしたこっちゃない……という意識があるんじゃないかと。

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 『「富士見」の謎』
 2012/08/13 13:28
塩見真一
田代博 祥伝社 ISBN978-4-396-11239-4 2011年6月10日 定価:[本体800円]+税

私は子供時代を東京都下某市の富士見町で過ごしました。富士見町というくらいですし富士山はもちろんよく見えた……と思うんだけど、実のところはっきりした記憶はありません。んー、もし見えなかったのなら地名どおりじゃなかったとはっきり覚えているはずだと思うんですよね。はっきり覚えていないからにはつまり見えたんだろうと思うんですが、かと言って、家から・学校から・近所の公園から富士山を見たというはっきりした記憶はない。それはつまり、見えるのがあたりまえだったわけだし、なんというかつまりあたりまえの富士山、このオビにあるような典型的な姿の富士山が見える地域だったから、じかに見た富士山と写真で見た富士山が記憶の中でごっちゃになっているのだろうと思います。

まあそんな次第でこの『「富士見」の謎』なんですが、……あんまり面白くないな。およそ半分を占めている第1章はカシミール3Dで作った富士山可視マップ、つまり他の山に遮られずに富士山が「理論上」見えるかどうかを塗り分けた地図に従って、何県ではどのあたりから富士山が見えるの見えないのといった話です。んー、なんというか、その「理論」とやらにべつだん意味があると思えない……とかいう問題じゃないんだよなきっと。

問題はたぶん、読んでいるうちにいつぞやのロープウェイ乗りつぶし本が頭に浮かんだので、つまりあれと同様の問題でしょう。自分がマニアックに好きなことを、マニアでない人にうまく伝えられていない、ひょっとすると相手が自分と違うことを意識できていない。私は職業がら中身と同時に執筆者の姿勢が見えるので、そういうあたりで評価が下がるのだろうと思います。

てゆうか、私の暮らしていた富士見町は出てこないし、そもそも地名にあまり注意を払っている様子がないんですね。地名の富士見ではなく「富士山を見ること」を富士見と言ってるのかなーと、まあ星を見ることを星見と言う人は知り合いに何人かいますが、でもその「富士見」語感は私にはぜんぜんついていけんなーと、そう思いました。

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 Re: 『いなかの専業主腐ちゃん』
 2012/08/13 10:43
塩見真一
ちなみに。
私は週に3回ほど、山手線に乗って新宿から品川へ行くのですが、大崎で乗務員が交代するのですね。降り口の都合で一番先頭に乗っているので運転士の交代がよく見えるんですが、このあいだは乗ってきた運転士が小柄な女性でした。女性の運転士もそれほど珍しいわけではないんですが、品川駅に差し掛かったあたりで車掌のアナウンス「ご乗車ありがとうございます、まもなく品川、新幹線、東海道線〜〜」が、女性の声で流れたんですよ。へえ車掌も女性か、と思ったのに続いて、運転士も車掌も両方女性のペアは珍しいかもな……恋人どうしだったりしてアハ、と浮かんできたのには自分でびっくりしました。
おい「アハ」ってなんだよ「アハ」って。

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 『いなかの専業主腐ちゃん』
 2012/08/11 13:21
塩見真一
チョコドーナツ 竹書房 ISBN978-4-8124-9023-5 2012年8月1日 定価[本体1000円+税]

遠恋の後、結婚して夫の実家のあるS県に引っ越し、田舎の専業主腐になったチョコさん。
……ふうむ、田舎のS県というと、S賀県、S岡県、おっともひとつS賀県、S玉県だって西のほうは十分田舎だし、はてどこかなー。
や、主腐やら腐女子やらにはべつだん興味がありませんが、腐女子が田舎に住んだらどうなるか、O女ロードや同人誌即売会のない環境で腐女子が生存可能なのかどうかには少々関心があります。というのは、私のよく知っているあるオタクがいずれそのうちF県のK村に移り住むつもりでいるからです。まあ寒村とは言っても車で1時間も走れば人口30万のK市でJュンク堂があるしK駅から新幹線に乗ればT京へも2時間ちょっとなんだし、生存は可能なはずと思うのですが。

そんなわけで読んでみると、S県というのは山陰のS根県でした(やれやれ、なぜ思い当らなかったんだろう、私ゃS根県にはこれまで少なくとも2回行っているし、通るだけならついこのあいだY口からの帰りにHI空港から飛んできたのに)。S根県でもI空港に近いあたりの平野部、ということは「Yくも」がばんばん走っているわけで、田舎といってもそんなに不便な地域ではなさそうな気がしますがね。
そう思いつつ読み進んでいくと、なんと、S県は47都道府県のなかで唯一Aニメイトの無い県なんだそうです。Aニメイトが無ければTのあなもGーマーズも無いし、BL本の新刊は早売りなんてありえない、隣の市で書店を4軒回ってやっと見つかる始末。
さらに困ったことに、田舎だから人が少なく、当然ながら腐女子も少ない。少ないどころか、引っ越して1年経っても地元の腐レンドはいまだにゼロ。
もひとつ困ったことに、田舎だから人と人が近くて、息子の嫁は・お隣の奥さんは1日家にいるけど何をしているんだろうと興味を持たれるわけです。というか、そう聞かれたところで専業主腐だと言うわけにはいかない、日がな一日BL本を読んだりBLイラストを描いたりBLブログを更新したり腐レンドとチャットしてますとは、たとえ口が腐って……いや既に腐ってるから、ええと、口が裂けても言えないわけです。
むう、実を言うと私にはそこがいまいちわかりません。書店の棚で見るとBLはかなりに有力な一分野で、つまり世の中にはそれだけ腐女子がいる。まだ少数派ではあるだろうけどけして珍しくはないし、世の中は少数派を尊重する方向へ動いてきている。人様に迷惑をかけるわけでもなし、BLが好きだからといってどうということはなかろうに、……と思うんですがねえ。

いやまあそうは言っても、「僕はそういうのよく分からないけど チョコさんが楽しそうだと僕も嬉しいよ」なんてことは、私には言えない、よなやっぱり。や、チョコさんの旦那は偉いねえ。

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 Re: 今期の試験が終わりました
 2012/08/08 11:18
塩見真一
問1 ある科目の試験は2択10問であったが、ある学生はその科目をまったく勉強していなかったため、鉛筆を転がしてランダムに回答した。この学生の得点の期待値を次の中から選べ。
 (1) 50点
 (2) 55点

問2 上記の科目でもし学生全員がランダムに回答したとすると、合格つまり得点が50点以上の学生の割合はどの程度になると考えられるか、次のうちから選べ。
 (1) 50%
 (2) 64%

試験というのは、学生が勉強したかどうかを確かめることなんですがねえ。

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 今期の試験が終わりました
 2012/08/06 18:58
みちる
と言っても2科目だけですが。
他に忙しい案件を抱えていて受験できなかった前期分の再試でした。(つまりその案件は続いていて…今期新たな科目を取れなかったのですが)

ってかさぁ… 2択10問ってどんだけお手軽に作った試験なのよ?と(T_T)

来期の科目申請を早くしなければ…いやそもそも間に合うんだっけ(苦笑)

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 Re: 「グリーンエネルギーの活用」
 2012/08/06 10:50
塩見真一
大川小学校で見てきたことをもうひとつ。事故の全貌は明らかになってはいませんが、校庭に集合してから三角地帯……ちょうどこの前の写真を撮った小高い交差点のあたり……へ避難しようとしたところで津波に襲われた、裏山へ逃げればよかったのに、と言われています。
地図で見るとたしかに学校のすぐ裏、校庭の隅まで山がせりだしている。高さにして20メートルくらいも登ればいいわけですし、津波が来るとなったらただちに裏山へ逃げるのが当然のように思えます。そうしなかったのはいったいなぜだったのだろうというのが私の関心のひとつでした。

校庭を横切って山裾へ行ってみると、……山形ナンバーの車が溝にはまっていてそれどころではなくなったのですが……、裏山の登れそうなところは写真のような感じ。1年経っていることと季節が違うことを差し引かなきゃいけないでしょうけれど、それでもこの杉林。このあいだ鳴虫山で道がなくなっていて杉林の中を降りましたが、あれを逆に登れるかというと、あの崩れやすいやわらかな土に枯れ枝ががさがさ積った斜面を登れるかというと、無理です。
いや、自分ひとりなら、あるいは子供一人担いだくらいなら死に物狂いで登るだろうけど、80人では絶対無理。死に物狂いの80人がもしこの斜面に殺到したら、登りきれるのは先頭の数人だけ、それで斜面が崩れてしまうから残りのほとんどは蹴落とされたも同然になります。
その様子を想像してみれば、だって小学生だぜ、1年生なんて6歳、女の子だっているんだぜ、裏山に逃げるという選択肢を大川小学校の先生方が取りえなかったことは容易に理解できます。

しかしくそ、立地からいって津波の危険ははっきりしてる、裏山へ逃げるのが最善なのもはっきりしてる、簡単な登山道なら子供たちに手伝わせたって作れるのに。
そういう備えができなかったことが問題なんだと思いますが、まあ、ウチの事務所もまだ転倒防止してないわけですが、でも学校で、できないものなんですかねえ。

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 Re: 「グリーンエネルギーの活用」
 2012/08/04 08:54
塩見真一
授業の後、車を借りて石巻へ向かいました。石巻で一泊して翌朝、朝食もそこそこにして出かけた先が、あの大川小学校です。児童と教職員合わせて84名の命が失われた現場、東日本大震災の犠牲者は約2万名ですからけして多くではないのですが、集団で・組織で84名というのはやはり大変なことで、やじうま的ではあってもその場を見ておきたいわけです。

北上川の堤防の上を延々と走り、カーナビが「およそ300メートル先、目的地周辺です」と言って、交差点を越えたところで目に飛び込んできたのが写真の光景。

愕然としました。
こんなことになっているとは、大川小学校がこんなことになっているとは知らなかった。84人の命が失われたことばかりで、学校自体や周りの街がどうなったのかは意識から抜け落ちていた。

津波の傷跡はもう十分見てきたつもりだったけれど、この光景はまた大きな衝撃でした。

#そこへ北九州のあの提訴ですよ、腹も立とうというものですがね。

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 Re: 「グリーンエネルギーの活用」
 2012/08/01 11:18
塩見真一
震災がれきの広域処分、つまり宮城・岩手のがれきをたとえば東京へ運んで処分することについて、高橋先生は当然ながら反対です。地元で炭に焼けば被災者に雇用を与えることができる、がれきを運ぶのにエネルギーを使うくらいなら炭焼き窯を被災地へ運ぶほうがいい、というご意見はそのとおりだと思うし、石原がかっこつけやがってというのもまあなるほどとは思うのですが、しかし被災地で処分しきれない現状がある以上、被災していない人々が手を貸してやるのは情として当然だと私は思うわけです。

や、北九州で、市が宮城県のがれき処分を引き受けたために精神的苦痛を受けたといって市民142人が市と宮城県を告訴したとかいう話なんですけどさ、開いた口がふさがらないとはこのことですよ。いったいなにが精神的苦痛だ、がれき受け入れを拒絶された宮城の人々がどんな思いをしたと思ってるのだ。
こいつらをオレに精神的苦痛を与えたカドで訴えられんものかな、と一瞬考えましたよ。

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 Re: 「グリーンエネルギーの活用」
 2012/07/28 12:16
塩見真一
さてこの授業での収穫について。
「脱・原発の本命は木炭エネルギーか?」という副題に対して、私はそんなこたねーだろと思いながら仙台へ向かったのでした。そもそも絶対量が桁違いなのは木炭に限らないけれど、木炭は一般的な燃料としてはけっこう使いにくいし、炭を焼く過程で原料の木材に含まれているエネルギーをかなり捨ててしまう。「阿部式炭焼き法」とやらで効率が劇的に改善されるというけどそんな方法があるもんかねえ、やはり私としてはバイオガスが有用だと思うけどねえ……とか考えながらはやて103号に乗ったわけです。

授業を受けた後でも大筋は変わっていないんだけど、炭焼きだからこそ有用な場面がいくつかあることがわかりました。

ひとつは震災がれきの処分。現状はゼネコン業者に引き取らせて焼却しているだけなんだそうですが、炭焼きなら有用物が残るうえ、集積所の片隅でできる、つまり被災地に雇用を生みだすことになる。貨物コンテナを改造した炭焼き窯で木質がれきを炭に焼く実験もしてみてまずまずの結果が出たので、近隣の自治体に働きかけているんだけどなんかお役所の壁があってうまく進まない、のだそうです。

もうひとつは家庭ゴミの始末。市街地はともかく農村・近郊地帯であれば、ペール缶を窯にして庭先で炭焼きができる。これは宮城学習センターの課外授業として何度も実験しているそうで、阿部式炭焼き法というのもその中で発見されたのだそうですが、そうやって生ゴミ・紙・剪定枝・廃材を炭に焼けば、燃料・水のろ過材・土壌改良材として使えるし、ゴミ収集のコストがかなり減らせます。炭を市が買い取ることにしてもいいくらいだと先生はおっしゃっていました。

脱原発とは結局のところエネルギーの分散化です。木炭は(風力も地熱も太陽光も)原発の代わりにはならない、木炭では(風力でも地熱でも太陽光でも)現代日本の社会を支えることはとうていできない。けれど、エネルギーを含めて地産地消、家産家消の社会ができるなら、その社会で木炭が果たす役割は小さくないに違いない。「みんなが木炭でやっていける世の中を目指そう」というのは、脱原発のもうひとつ先の目標として、いいところなのかもなと思ったのでした。

写真は関係ないけど2日目の朝、授業の前に仙石線で高城町まで行き15分ほど歩いて東北線の松島から仙台へ戻ったのですが、そのあたりの踏切で撮ったもの。「電」は象形文字だったのかと、私は一瞬そう思ってしまいました。

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 「グリーンエネルギーの活用」
 2012/07/27 08:44
塩見真一
……という面接授業を、仙台へ行って受けてきたのでそのまとめ。
講師は以前に「鉄を造る」でお世話になった高橋先生で、そのときにも炭焼きと木酢液(炭焼きの副産物)のことをいろいろと聞いたものでしたが、今度は副題に「脱・原発の本命は木炭エネルギーか?」とついていて、炭のほうが中心です。

授業は例によって井上ひさしさんの色紙からはじまり、「地球の歴史から見た大気環境問題」「人類とエネルギーと環境」「化石燃料エネルギー」「自然エネルギー」、ここで日付が変わって「バイオマスエネルギー」「木炭と炭焼き技術の再考察」「放送大学新炭焼き法『阿部式炭焼き法』とは何か?」「グリーンエネルギーと持続可能型社会」「グリーンエネルギーの普及」。

たいていの面接授業だと最後に1枚程度レポートを書かされるのですが、それを毎時間やらされるのでなかなか大変でした。
それと、各コマ3名くらいずつ自己紹介をやらされたのも大変でしたね。

写真は東北大キャンパス内のメタセコイアの並木。昭和25年にアメリカから贈られた3本の苗木を株分けしたものだそうで、つまり樹齢はせいぜい60年なんだけど、高いよなあ。

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 『ノウハウ図解 山仕事の道具』
 2012/07/26 08:59
塩見真一
全国林業改良普及協会 ISBN978-4-88138-203-5 2008年6月30日−2011年2月25日第3刷 定価:[本体1800円]+税

森林について少し別の角度から勉強しようと思って買ってきた本。て、道具に手を伸ばすところが少々「男の子」的な気もしますが。

各章の章題を書き抜いてみると、「道具の楽しみ」「手道具」「道具の簡単修理、修復」「林業機械」「乗り物」「森の作業着」「山の作業小屋(庵)をつくろう」「森であなたを守る知識」「安全に活動するために」、といった具合。元編集者としては語尾がそろっていないのが気になりますが、それより読んでみた感じとして、先ほどの「男の子」的というのがあんまり誉めた話じゃないことに気が付くわけです。
ほらなんつーか、実用性ではない観点で道具を語る人がよくいますよね。んー、「道具に対する愛着が行間にあふれ出している」とでも言えばいいのかもしれんけど、どうも共感できない・なんか違う感じがする。道具フェティシズムというか、その道具を持ってる自分へのナルシシズムというか、行間にあふれ出しているのはそんなもののように思える。まあ、中身の情報にはあんまり関係ないんですが。

情報として言うと、道具を使っている人に取材した形になっているため、全国あちこちで林業ないし山暮らしをしている人が出てくるところが見所でしょうか。専業林家、森林組合、脱サラ、第2の人生、地域グループ、etc.、森林をやるにもいろんな形があるもんだと思いました。

実を言うと買ってきたのはだいぶ前、三重へ行く前でした。持っては行きませんでしたが、のぞみ99号とみえ51号と大学のバスを乗り継いで演習林に着いてみたら、技術職員の方々がこの本に載っていたのと同じ、作業着に地下足袋、腰に鋸と鉈を吊るというスタイルだったので、なんというか、感心したのでした。

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 Re: 「森林の現状と管理」
 2012/07/20 09:48
塩見真一
日光から帰りは東武線、いったん新藤原まで出て折り返し、鬼怒川温泉から新宿直通の特急、スペーシア鬼怒川6号に乗りました。けっこう慌ただしいスケジュールで、もし登山が順調に終わらなかったら風呂を浴びる暇がなくなり下今市から乗らなきゃならなくところだったんですが、でも次の新宿直通特急は日光8号、つまりJRの253系ですからねえ。成田エクスプレス時代に何度か乗ったし、リニューアルというのが厚化粧に見えて、あんまりいいと思えない。グリーン個室がどうして使われなくなったのか、そのスペースは今どうなっているのか、という興味はなくもないんですが、でもまあここはやっぱり東武100系スペーシアに乗ろうよというわけです。

で、乗ったところが左の写真。私の持っていた指定券には5号車6D席と印字されていて、特になんとも思っていなかったのですが、乗ってみるとこのとおり。
つまり、東武鉄道の座席番号は本来、近鉄と同じ連番式に号車番号が付いた3ケタなのでしょうな。JRへ乗り入れるようになったので、JR式座席番号のステッカーを貼ったのでしょう。
相互乗り入れってのも、大変ですなあ。

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 Re: 「森林の現状と管理」
 2012/07/18 11:24
塩見真一
授業の後一泊して、日光の鳴虫山1103mに登ってきました。小雨の降るあいにくの天気で、最後に松原町へ下る道が途中でなくなっていて杉林の中をさまよったりもしましたが、けっこういい調子で行けました。今年に入ってから上州の神成山、葛尾の五十人山、伊勢の朝熊山、浅虫の高森山と、比べてみると一番よかったかもな。

さてそれで、鳴虫山登山道の特徴的な光景がこの写真。3合めあたりから7合めあたりまでずうっと、こんなふうに樹の根で覆われた道が続いています。
これねえ、つまり表土が薄いんでしょうね。地面のすぐ下が岩盤で、だから根が横へ伸びるしかない。横に伸びた根が地表に露出しているのは、もしかすると、登山者が踏むことで表土が流されたのかもしれません。

まあ、植生や土壌に深刻な被害を与えているというほどにはなっていませんが、それでもなるべくこんなことには加担したくないものです。
そういえば朝熊山の登山道もざっくりえぐれていたなあと、石がごろごろした走りにくい道だったけどあれも柔らかい土壌が踏まれて流れて石だけ残ったんだろうなあと思い出し、やはり有名な山はなるべく避けようと思ったのでした。

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 Re: 「森林の現状と管理」
 2012/07/18 10:52
塩見真一
もうひとつ、まだ私も飲み込みきれていないこと。

三重で沼本先生から聞いた話では、上高地の大正池が埋まって湿原にならないよう溜まった土砂を掘り出しているということでしたが、それと似たようなことが日光の戦場ヶ原周辺でも起こっているのだそうです。戦場ヶ原はすでに湿原になっていて、さらに土砂が流れ込んでくるとだんだん乾いて普通の平原に変わっていくので、上流に砂防ダムをたくさん作ってそれを食い止めている、でも少しずつ乾いていて湿原ではなくなった地区もある……という話でした。
一言で言うとなんだかなーですが、もう少し考えてみるとつまり、変わっていく自然を人間の都合で押さえつけてしまうという「自然破壊」があるのだということです。この場合、人間の都合というのが観光資源なのでいっそうなんだかなー感が強くなるのですが、いずれにしてもどっちがより困ったことだか、ちょっとわからんですね。

で、ここで私はふと気が付いたのだけど、「ストップ!地球温暖化」というのはひょっとしてそれと同じことじゃないのだろうか。変化していく自然を自分の都合で止めようとする、人間の傲慢なのではないだろうか。CO2排出の削減はなんだかなーと言われる話ではないだろうか。
これは、少なくともここ数年のあいだ私が正しいと思ってきたことを揺るがす考えで、受け容れることも蹴り飛ばすことも簡単にはできない、どうしたものかちょっと困っておりますのです。

松英先生はどうやらそれに近いお考えらしい。温暖化に話が及んだところで、気温上昇の原因がCO2なのかどうかはほんとのところわからない……これは低線量被爆の影響がわからないというのと同じ「わからない」ですが……、温暖化を止めようとするよりも変わっていく地球環境に合わせて社会システムを変えていく考え方も必要ではないかと、そんなことを言われました。

写真は、1日目の朝、大宮駅のホームで。宇都宮は湘南新宿ラインで2時間、片道1890円なので2日通ったんですが、どういうわけだか2日とも事故でダイヤが乱れて、1日目は大宮から宇都宮まで新幹線に乗る羽目になりました。これだったら泊まったほうが安かったなーと思いながら新幹線ホームに上がってみたところがこの光景。大宮開業30周年で記念列車が運転されることは知っていましたが、そのおしりにこんなに人が群がっているとは知りませんでしたよ。

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 Re: 「森林の現状と管理」
 2012/07/17 08:32
塩見真一
この授業での収穫をもうひとつ挙げると、林業の実際面についてまた少し学んだこと、ですかね。
地拵えから伐木・集材といった作業工程とか、木材のランクと実勢価格とか、川上・川中・川下と呼ばれる流通システムとその問題点とか。長野で植木先生がコテンパンに言った「新生産システム」についても肯定的な見方ができるというのはひとつポイントです(もっとも、肯定的な見方でも成功しているとは言えないらしいですが)
三重で学んだ測樹にしても、より実際的な方法としてスマホで樹を撮影して高さを計算するアプリ(先生が開発したんだそうです)とか、親指より太く見える樹の本数を数えることで材積を推定するビッターリッヒ法とか、また少し踏み込んだ感じでした。……演習林でその実習ができればさらによかったですねえ。

写真は宇都宮大学構内のヒメシャラの木。いやはや、三重でヒメシャラは覚えたと思っていたんですが、こんなに大木じゃなかったし樹皮もこんなまだらじゃなかったし、ぜんぜん違う。樹を覚えるのは、鉄道車両や女子高制服を覚えるより難しそうです。

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