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2010年初夏の掲示板

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 「している」「してある」
 2010/06/11 09:56
塩見真一
日本語には存在を表す動詞として「いる」「ある」の2つがあり、「いる」は生物について言う場合に使い、「ある」は無生物について言う場合に使う……というのは常識だと思いますが、このあいだ、どうも妙な事例を見つけました。AというソフトウェアがXという規格に従っているが少し違う点もある、ということを……
AはX規格に準拠していますが、これこれの理由で以下の点を修正してあります。
……と書いた文章があったのです。
この「している」と「してある」の使い分けは間違っていない、というより、この言いかたしかできないと思うんだけど、「いる」は生物「ある」は無生物というルールには合致しません。

まあ、「いる」「ある」と「している」「してある」とは違う言葉だからルールも違う、と言われればそうかとも思うんだけど、じゃあ「している」「してある」の使い分けルールはどういうことなのか、それにええと「××し|て|いる」「××し|て|ある」かな、「している」「してある」は「いる」「ある」を含んでいるはずで、何かしらつながりがあるはずだけどそれは何か、やはりわからんのです。

てゆうかその前に、「修正してある」の主語はなんだか、私にはよくわからない。「Aは修正してある」だろうとは思うけど、「(Aの開発者は)修正してある」のような気もする。

いやほんと、こんなに日本語わからなくて、いいのかオレ。

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 『本屋の森のあかり(6)』
 2010/06/10 11:06
塩見真一
磯谷友紀 講談社 ISBN978-4-06-340779-2 2009年12月11日 定価:本体419円(税別)

はてな、私はこれ、「本屋の森のあかりちゃん」だと思ってたんですが、いつのまにかちゃんがとれたんですかね。実は1巻が出たときにとりあえず読んでみて、その後はああ続いているんだなあと思いながら横目で見ていたので途中を知らないのです。ですがなんというかな、つまり、あるソフトを造り始めて、その名前をこれの登場人物からとりたくなって、そんなわけでまたしばらくぶりに手に取ってみたのでした。

書名のとおりで、本屋を舞台にした物語です。須王堂という名前の、全国チェーン店に就職した高野あかりさん(愛知県岡崎市出身、て、妙に細かい設定ですが)。岡崎支店から東京本店に配転され上京したところから話が始まったのだと思いましたが、この6巻では新設の名古屋店に異動になって岡崎に戻ってきてます。……岡崎から名古屋って、ふうむ快速で35分、ならまあ通えるか、しかしなんだって岡崎なんだろうなほんと。
それはともかく名古屋店。立地はよいが、人に難あり。店長は人が好いだけのボンボンだし、2人の副店長はそれぞれ我の強い人で、その1人はちょっと前まで東京本店であかりさんと犬猿の仲だった人だし、アルバイトたちがまた扱いにくいし、必要以上に頑張ったあかりさんはぎっくり腰になってしまいます。いやー、書店員にとっては職業病みたいなものだそうですが、私みたいに一人暮らしの身としては、もしぎっくり腰になったら不便じゃ済まないわけでマジ怖いですよね。あかりさんも実家にいるときでよかったですね。
と思ったら、実家でほわわんと寝くたれていたあかりさんのところへ突然、東京本店の副店長、「歩く本棚」と異名を持つ寺山さんがお見舞いにやってきました。さて彼はいったい何を……。

ふうむ、1巻を読んだときには須王堂と聞いて、ははぁあそこがモデルだなとある書店がぽんと頭に浮かんだのでしたが、もう思い出せないや。編集者だったころは自分の作った本が読者の手に渡るところとして、書店さんには関心を持っていたし都内はもちろん各地の主要書店は頭に入っていたものでしたが、ああでも店員の方と接することは基本的になかったし、個人的にも書店員の知り合いはいなかった。

もっともこの作品自体も、特に書店と関係の無い人、強いて言ってもお得意さん、一般の本好きの人を読者に想定して作られているように思います。特徴的なところを言うと、それぞれのエピソードが特定の本に絡めて作ってある。この6巻では「萱草に寄す(前編)」同後編、「銀河鉄道の夜」、「高慢と偏見(前編)」同後編、と、いう具合。私が知ってるのは宮沢賢治だけだけど、わかる人には立原道造やジェイン・オースティンの名前が浮かぶし、その中の物語が浮かぶことでしょう。……や、1巻がこういうつくりだったかどうか、覚えがないんですが。
あー、そうか、あかりさん自身の物語がなかなか進まないのは、こういうふうに本に絡めながら話を進めているからかもしれない。あながち寺山さんのせいばかりでもないかもしれませんですな。

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 『空の下屋根の中(2)』
 2010/06/08 10:31
塩見真一
双見酔 芳文社 ISBN978-4-8322-7915-5 2010年6月11日 定価:[本体819円]+税

「働くこと」の意味を裏から見つめる物語、2巻が出ました。

高校を出て、特にやりたいことが無いのでニートになった笹川香奈絵さん、いろいろあって玩具屋でバイトを始めたところまでが1巻でしたが、この2巻ではそのバイトも辞めて、ハロワ通いを始めます。
「ハロワ」って何だか私は一瞬考えてしまいましたが、ハローワーク、つまり職安ですね。や、ウチの近所の道に職安通りという名前が付いてるからその言葉を知っているだけです。半年ほど失業していた経験があるにも関わらず、私は職安にもハローワークにも行ったことがなく、そこがどういうところなのか、人はそこへ行って何をするのか、知りません。まあそんなわけで、私にとってはハロワ入門という意味で役に立っ……て、やはりこのこじつけは無理ですな。私がハローワークに行くことは、少なくとも職を求めて行くことはこの先もまずないでしょうし。
や、私のことはいいからこの本。紆余曲折のすえ、香奈絵さんが就職先を見つけて、お話としてはまだ続いてよさそうな感じもするのだけど、それで完結です。

仕事って、やっぱり、何なんですかねえ。大きな存在であることは間違いないのに、重要なのかどうかと考えると、私自身のことでさえ、わからなくなる。……や、「仕事」に限らないよな、「恋」だって「人生」だって、わからないことだらけなんだけどな。

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 「スポーツと健康」
 2010/06/05 11:42
塩見真一
と、先週甲府へ行って受けてきた面接授業のまとめをこのへんで。

題目が「スポーツと健康」というので実のところあんまり興味をひかれなかったのですが、ふとシラバスを読んだら加齢と健康保持におけるスポーツの意義とでも言ったほうがいい内容で、さらに実習付きだったんですね。そろそろ体力が衰えていかざるをえない、トレーニングしても運動能力を伸ばすことが望めない、そういう歳に近づいている私としては、これは外せません。
いや実際なあ、このごろめっきり走れなくなってるのですよ。甲府大蔵経寺山では1:56の計画で3:15かかった。松江大平山では迷ってコースを短縮したから、実質1時間しか走っていない。その前、4月は代々木公園へトレーニングに行って2周でへたばって切り上げたことが何度かある。だいたい、1周15分だったのが17分、18分と伸びてきている。3月は高尾草戸山へ行って登り56分はよかったけどそのあとへたばってしまって下りに同じだけかかった。
こういうのがトレーニングの不足だけとは言えないようで、つまり、そろそろ走りかた・山の登りかたを考え直すというか、この先どういうふうなスポーツをしていくのかあらためて考えなきゃいけないような気がしはじめているのです。

で、受けてきた結果。直接的には、今の私にとって答えになるものはありませんでした。もう数十年先のこと、寿命が尽きる数年前がテーマです。
現在の統計だと、日本人は死ぬ前に平均8年くらい寝たきり生活をしてるのだそうですね。寿命が延びるといってもこの寝たきりの期間が延びるのではしょうがないので、本人だけでなく家族や社会にとってもしょうがないので、寿命ではなく健康寿命を延ばそうというのが世の中のトレンド、PPK作戦(PinPin ikite Kororito shinu sakusen)という取り組みが進んでいるのだそうです。メタボ対策もそのひとつですが、運動能力を低下させないことも重要……というわけで、まず1日目は午前中講義の後、骨密度と体脂肪率を測定し、ストレッチングと運動能力テストをしてきました。テスト項目は握力、上体起こし、体前屈、反復横とび、椅子立ち上がり、でしたが、いやはや。反復横とびと椅子立ち上がりは年相応より少し上だったものの、ほかはめためた、総合すると60代前半という体力年齢が出ました。
てゆうか、これで筋肉痛が出たのも私としては痛かったですね、文字どおり。それもどういうわけか大臀筋つまり尻の筋肉に出て、何が困るといって座ると痛い。普通の椅子は面積が広いのでまだいいんだけど、トイレで座るとそこだけに力がかかるので激しく痛くて、おおいに困りました。

ま、なにかしら運動を続けるべきであることは間違いないんですよ。それは、PPK作戦の観点ならスポーツでなくてもよい、軽いストレッチや軽い筋トレや散歩で十分なんだけど、私はもう少し上をキープしたい。
さてどうすっかなあ、スポーツ以外の生活との兼ね合いもあるし、またぼちぼち考えないとなあ。

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 Re: 『地図の読み方 実践上達講座』
 2010/06/04 12:34
塩見真一
さて、この本の造りに関していくつか思うことを言っておきます。
といっても問題にしたいところはひとつで、事例の地図をはじめ、地形の模式図や稜線がどんなふうに見えるかというスケッチなど、図版がすべて巻末綴じ込みの別冊にしてある、ということについてです。

図が別にしてあるので、本文では「地図1のaは、○○のように見えますが現地に行ってみると図2のようになっています。」とかいった具合で、ことごとく巻末を参照させるようになっています。いちいちそっちをめくらなきゃいけないとなるとかなり面倒ですが、綴じ込みといってもスポット糊付けでぺりっとはがせるようになっているので、はがせば机の上に本文と並べて、見比べながら読める。図と説明文が離れているデメリットがうまく解消されていると評価できます。
もっともね、私は電車の中で読んだので、そういう読みかたはできませんでした。なので本文と別冊を行ったり来たり、あっちを開いたりこっちをめくったりしながら読んだのでした。

そうしてみるとひとつ問題が浮き上がってきました。ナンバリングがまずくて、文中で言われている地図22とか図3とか地図Bとか図E2とかが、いったいどこにあるのか探し回らないとならないのです。つまり、ページの順に言うと、p2:地図1,地図2/p3:地図3/p4:地図4/p5:図1/p6:地図5/p7:地図6,地図7/p8:地図8/p9:地図9,地図10/p10:図2,図3,図4/p11:地図11,地図12、……や、いいかげん疲れた。「地図」と「図」が別系列でナンバリングされているうえに、それぞれに1から始まる系列とAから始まる系列があります。1から始まる系列はこの本での説明用でAから始まる系列は地図読み講習会で使っているコースに関係するものという意味はあって、順序としてもけしてデタラメとは言えないのですが、しかしやはり本文を読みながら対応する地図・図を探すとなるとなんとも馬鹿馬鹿しい苦労を強いられている気がしてしかたありません。
ナンバーの向き・位置がばらばらなのも問題を大きくしています。←は別冊のあるページですが……読めませんけど、上の地図についているナンバーと下の地図のナンバーの向きが違うことはわかりますよね。ナンバーが横向きになっている地図は横向きに見ること、という意味なんだそうですが、しかしこのせいで確実に地図を探しにくくなっている。そもそも地図はそのつど読みやすいように向きを変えて読むのが当然なんだから、横向きに見ることってのは余計なお世話だとも言えます(初心者に対する指導ではありましょうけれど)。

あともうひとつ、この地図がモノクロだというのは、どう考えても納得できません。本来の地形図は3色刷、等高線が茶色、川や湖が水色、道や建物や文字が黒と区分されて描かれていて、色は地図を読むうえで重要な情報になっています。そこらのコンビニで大判カラーコピーを当たり前に取れる現在(本文にはきれいなカラーコピーをとる方法の説明があったりもします)、地形図をモノクロに落として読む場合なんてまずないし、また、地図読みの練習としては無意味にハードルを上げることになる。実際、文中に「××だと思われるかもしれませんがそれは等高線ではなく林道です」などという、カラーであれば必要のない説明があったりしますが、これ読み手の立場で言えば、カラーであれば読み違うはずのない落とし穴ができているわけです。
要するに印刷コストの問題なんだろうけど、いくらか値段を上げても、現在1600円だから1800円くらいに上げてでも、地図はカラーで掲載すべきじゃないかなあと、そう思います。

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 Re: 『地図の読み方 実践上達講座』
 2010/06/03 11:31
塩見真一
>25,000の地図って(とくに地形について)、そんなにアテになりますかねぇ?

うーむ、この本を読んだ結果としていま現在私は、25000図の地形表現についてこれまで私が思っていたよりはアテにできるようだ、と考えています。今週月曜日には甲府の大蔵経寺山から武田神社へのコースを登ってきたのですが、トレーニング不足と筋肉痛でぜんぜん走れなくて、その分、地図を細かく読みながら歩いてみたらいろいろと納得できるところがありました。

まずひとつには、「尾根の合流点は隠れピーク」とかいった地形の法則を知ることで、直接には表現されていない地形も読み取れる、ということ。
もうひとつは、非科学的だけどやっぱり「信じる」ことだろうな。平塚さんは最初に、地形図に細かな地形がきっちり表現されていることを経験したのだと思います。逆に私は、細かな地形が表現し切れていないことをまず経験した。……もっと正確に言うと、細かい地形を表現するには25000では足りないことを経験した。オリエンテーリング用の地図って、縮尺が15000で等高線間隔が5mで、ほぼ完全に実地調査に基づいて描かれているので、まさしく桁違いに細かいんです。
だから「細かな地形」とか「きっちり表現」の基準もきっと違っていると思うけど、根本的に25000図を信じるかどうかというスタンスが私と平塚さんでは違っているのだと思うのですね。……てゆうかつまり、私が25000図について「地図の精度と人間の視界のギャップ」とか言ってはいけないのかもしれん。

地図に描かれた道の信頼性については、航空測量に基づいているため上空から見えない道はある程度あてずっぽうで書かれている、という話はこの本にもありました。それから、土砂崩れなどの影響で特に沢沿いの道は変わりやすく地図との違いが出やすい、という話もありました。

ところで、大平山の登山口前で私が迷ったのは、「別の道に入り込んでしまって」と書きましたが、ほんとのところは地図どおりに行ったらどおんと立派な砂防ダムがそびえていて行き止まり、道が無くなっていたんですね。その脇に残っている踏跡をたどってみたら、タケノコ堀りの作業道らしく竹やぶの中でいつのまにか消えてしまい、それでも地形から位置はわかるので正面の尾根にがりがり登れば道があるはずと思って小一時間がんばってみて、あきらめていったん下の道路に戻り、登山口があるとしたらこのへんかもしれないと思われるところへ行ってみたらまさしくそこが登山口になっていたので、一山だけ登って降りてきたのでした。
さてそれであらためて考えてみると、砂防ダムで行き止まりになる道には案内板や道標がまったく無かった。それで怪しいと思ってよかったはずで、砂防ダムに行き当たったところで見切りを付けて引き返してよかったはずでした。
つまり、地図より現場を読めということ、地図より道標をアテにすべき場合もある、ということですよ。どんな場合がそうなのか、が難しいわけだけど。

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 『日本の統計 2010年版』
 2010/06/03 10:11
塩見真一
総務省統計局 ISBN978-4-8223-3659-2 財団法人日本統計協会 平成22年3月 定価1,890円(本体1,800円)

このあいだ『日本の統計 2007年版』を紹介してから、よく考えたらそれが3年前の版だと気が付いたので……なんでだか、平成19年のデータって去年のが載ってるなら十分新しいや、と思っていた……、今年の版を買ってきました。
まあ、私の目的からすると、データが最新でなければならないわけでもないので、じゃあ編集・造本の違うのを買ってみることにしようと思って、書店にいったわけです。が、他のはどうも統計に解説を加えたものばかりでね。解説の付いているほうが数字の意味を理解しやすいことはたしかだけど、それはつまり誰かの解釈を受け入れることになる。私としては、だったらデータが素で載っているほうがいいかなと思って、またこれにしました。

ざっと見たところ、いくつか統計表が追加されているくらいで、内容構成や造りは変わっていません。
内容も、北海道産の農産物の割合は、麦がちょっと減ったかなくらいでほぼ変わっていない。エネルギー自給率はというと、総供給23861PJのうち国内産出が3885PJで16.3%に低下、そのうち原発分が2317PJを除くと6.6%と微減。
うむむ。ここ数年、家電でも自動車でも省エネが進んでいるはずだし風力発電所もあちこちにできてるし太陽光発電も一般家庭にまで広がりだしてるし、少しは改善に向かってるかと思ったんですが、むしろ逆ですねえ。いやはや。

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 Re: 『地図の読み方 実践上達講座』
 2010/06/02 17:21
麗明舎
おもしろそうな本ですが……

25,000の地図って(とくに地形について)、そんなにアテになりますかねぇ?

ちゃんと作ってるかどうかに疑問があるというか、25,000って基本的に航空測量で立体視やってるんでしょ?
樹木に隠れた山道はほとんど当てずっぽうのような気がするので、「無視」もアリかなあ、とは思うのですが、地形のほうがかなり怪しいような?

スペースシャトル(?)からレーザーで高低を拾っているというのは知っていますが、これだって結構メッシュ大きいですし、ぼくはむしろ塩見さんの「地形図の精度と人間の視界のギャップに惑わされ」る、というののほうが、科学的なような気がするのですが。

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 『地図の読み方 実践上達講座』
 2010/06/02 11:10
塩見真一
平塚晶人 小学館 ISBN978-4-09-366539-1 2010年3月23日 定価:[本体1,600円]+税

「地図が読めない」人は多いのか、地図を読むのは難しいのか、地図は伝わるとアテにしてよい情報伝達手段なのか。
そんなことを考えつつ、こんな本を買ってきました。まあ、こういう本が出ているという時点で、地図を読むのは一般的に難しいと言えるらしいことはわかるわけです。しかし私は特に苦労せず身に付けて特に難しいとも思っていないので、……や、そう言いながらも迷うんですけどね、このあいだ松江へ行ったときは原発の近くの大平山505mに登ってきたのだけど、またしても登山口の手前で別の道に入り込んでしまって竹薮の中を小一時間さまよったりしました。……じゃなくて、つまり私には地図を読むことの何が難しいのかコツは何なのか、正直よくわからないのです。

著者平塚さんは大学の山岳部で鍛えられて地図読みを身に付け、12年前に『地図の読み方 入門編』を発刊し、5年前からは地図を読みながら実際に山を歩くという「地図読み講習会」を開いて、数百名の方に地図の読みかたを教えてこられたそうです。
ここで地図というのは2万5千分の1地形図のこと。前書きには「『山と高原地図』はそろそろ卒業して」というふうに書かれているのですが、つまりはコースタイムの書かれていない地図を読もうと、コースタイムに頼らず自分でコースを読み取ることが自主的な山登りの第一歩だと、いうことですね。ここんとこは私も文句なく賛同。
もうひとつ特徴的なのは、あくまで地形、ルート上のアップダウンを読み取ることをなにより重視するという姿勢です。いわゆる地図記号についてはまったく触れていないし、ときには道さえ無視して地形を読もうとする。これは私もびびる、たしかに地図の道をアテにしたらいかんのだけど、無視するというのもまたなんとも思い切ったやりかたです。
さらに、地形の読みかたが驚くほど細かい。ことによると高さ1メートルあるかないかのアップダウンまで読み取ろうとしていて、たとえば私だったら広い平坦なピークと見るものを3つのピークがくっついていると読んだりする。等高線が閉じていない「隠れピーク」は私も読めるつもりだったけど、尾根が合流するところが隠れピークだとかピークは3角錐だというふうには考えていなかった。いろいろと勉強になりました。

平塚さんによると、地図読みを身に付けるのに必要な期間はざっと1年。基礎を学んで、さらに実地の感覚、地図上で見た等高線の感じとアップダウンのきつさや高さの感覚を結びつけるのに日帰りハイキングを10回、というところだそうです。
……むう、それくらいの経験はとっくに積んでいるんだがなあ、私ゃいまだに地形図の精度と人間の視界のギャップに惑わされてばかりだ。つまりは心底で地形図を信じていないから、ですかねえ。

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 『あの山越えて(16)』
 2010/05/28 13:10
塩見真一
夢路行 秋田書店 ISBN978-4-253-12107-1 平成22年5月10日 定価:[本体667円+税]

農業つながりでこの本。というか、私が農業に無関心でなくなったのはもともとこっちがきっかけです。

表紙が主人公の君子さん。小学校の先生ですが、夫が脱サラし田舎に帰って農業をやると言うのについてきて、農家の嫁になりました。もともと東京生まれの東京育ちで農業にはまるで縁がなかったのに、身近な人たち、特にお姑さんとうまくいってるのが大きいよな、農業にも田舎暮らしにもすっかり馴染んで、はや8年。

物語の主軸は農業そのものではなく田舎暮らし、農村に暮らす人たちや農村から離れていく人たちや農村に帰ってくる人たちの生き様です。……生き様というのはちょっと大げさかな、もすこしのびのびほのぼのした日常に近いけど、でもやっぱりひとつひとつのお話しはそれぞれの人生を左右するようなできごとです。
私は途中から、8巻から読み始めたので経緯のわからないところもあるのですが、物語の中では農業人口がだんだん増えてきています。まず君子さんの夫がそうだし、夫の姪のまりなちゃんは両親を東京において田舎に戻ってきて高校へも行かずに農業を始めている。OLを辞め君子さんの友達の紹介で農業体験に来た花枝さんが住み着いて、祖父が遺した古い家の管理を花枝さんに頼んだ広志くんはいつしか花枝さんと遠恋して、結婚して単身赴任して、子供が産まれて、帰ってくる。
廃校になった小学校に住み着いた三峰さんと半年後に追ってきた奥さん。離婚され子供を田舎の両親に預けて人に言えない仕事をしていたが幼なじみのケイちゃんの婿になることにして戻ってきた園田さん。板東さんと町のお見合いパーティで知り合った彼女の妹さん。リストラされ夫婦で農業を始めたが夫が都会に逃げ帰りひとり田舎に残ることにした高野さん。
……やっぱり恋愛関係が多いなあ、いや、私の印象が偏ってるだけかもしれませんが。

それはそれとして、この田舎というのがどのへんなのか、私としてはかなり気になっています。架空の土地らしく、作中では「ここ」を示す地名はまったく出てこないのですが、いろいろとヒントが出てくるのですよね。新幹線を使って東京から半日行程、神戸よりも西のほうで九州でも四国でもない、電車は1時間に1本かもう少し多い(もしかしたら気動車かもしれない)、海の近くではなく、ある程度南北に広がりのある県の南側、作物は米と普通の野菜とイチゴ、空港も知り合いを車で送っていけるくらいの距離にあり日が暮れた後にも羽田行きの便がある……。
詮索したってしょうがないんだけど、地図帳や時刻表を広げて条件に合うところを探してみたりしています。広島の西条、世羅、府中あたりか、岡山の矢掛、高梁あたりかなーと思っているのですが。

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 Re: 『ダブルパティシエール!(2)』
 2010/05/24 12:18
塩見真一
むう、私は製菓学校の話が減った分で惹かれなくなったのかと思っていたけど、何が失敗ですかねえ。

かほちゃんの設定にちょっと無理があるかもな。外資系OLを目指していた人が会社つぶれて就職できなかったらまずは他の外資系にあたるだろうし、こういうきっかけでパティシエに転向したとしても店側がパティシエ見習として受け入れることはないだろうし、少なくとも、ちゃんと製菓学校を卒業している堂本君と同期扱いなのは無理だと思う。

そういえば、玉岡かがりさんの『ダブルナイト』も『ぼくの生徒はヴァンパイア』に比べるとだいぶ見劣りするんですが、ひょっとして「ダブル」は鬼門、ですかねえ。

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 『日本の統計 2007年版』
 2010/05/24 11:59
塩見真一
総務省統計局 ISBN978-4-8223-3226-6 平成19年3月15日 定価1,890円(本体1,800円)

『百姓貴族(1)』について……
手元の統計資料を繰ってみたら、国内生産のうち乳用牛の5割、麦の約6割、ジャガイモの8割、小豆の9割が北海道産ということになってますね。
……てなことを言いましたが、手元の統計資料というのはこれ。p100の「7-16 都道府県別主要家畜・鶏の飼養農家数と飼養頭羽数」と、p98の「7-14 都道府県別稲,麦,かんしょ,ばれいしょ,豆の収穫量(平成17年度)」から計算しました。

いちおうこの本について説明しておくと、まあ名前どおりなんですが、国の機関や民間の業界団体や調査会社などがまとめたさまざまな統計を分類整理して並べたものです。「国土・気象」「人口・世帯」「国民経済計算」「通貨・資金循環」「財政」「企業活動」「農林水産業」「鉱工業」「建設業」「エネルギー・水」「情報通信・科学技術」「運輸」「商業・サービス業」「金融・保険」「貿易・国際収支・国際協力」「労働・賃金」「物価・地価」「住宅・土地」「家計」「社会保障」「保健衛生」「教育」「文化」「公務員・選挙」「司法・警察」「環境・災害・事故」と、全部で26章。さらに巻頭には「グラフで見る日本の統計」、主要な統計表61点をグラフにして示してあります。

これと『世界の統計』というのと2点セットで、まあつまり世の中を知るために、買って事務所においてあって、暇なときにぱらぱらめくってみたりしています。けっこう面白いです。

ああそうか、食糧自給率の低さがあまり気にならない理由もここに載っていました。p148「10-1 総合エネルギー需給バランス(平成16年度)」、これ見るとすごいですよ。エネルギー供給量23674PJのうち国内産出は4095PJ、自給率は実に17.3%です。しかもよく見ると、原子力発電による2488PJを国内産出に含めて計算している。ウラン燃料だって輸入に頼っているはずで、それを除いて計算するとわずか6.8%です。
なんかもう、笑うしかないみたいな数字ですよね。エネルギーが無かったら食糧生産もできないわけで、つまり私は食糧自給率の低さが気にならないのではなく、それも吹っ飛んでしまうくらいエネルギー自給率が低いのです。

いやまったく、どうしたらいいのやら、どうにかなるのやら、どうするつもりなのやら。
むーとりあえず私としては、もし農業やることになったらまずバイオフュエルの原料になるものを作ることにしようと思います。

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 Re: 『ダブルパティシエール!(2)』
 2010/05/22 18:10
麗明舎
『パティシエール!』は、野広先生の出世作で大変おもしろく読んでいましたが、これは失敗作だったと思いますよ。

つか、この程度の駄作でも人気が出れば単行本を出してもらえるわけで、ナントカ先生が不憫すぎまつ。

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 『百姓貴族(1)』
 2010/05/22 11:29
塩見真一
荒川弘 新書館 ISBN978-4-403-67085-5 定価:[本体680円]+税

ちょろっと話が出たので、『百姓貴族(1)』について。

「鋼の錬金術師」通称ハガレンを私は読んだことがなく、ずっと横目で見ているだけなのですが、その作者荒川さんは農家の生まれ。漫画家になる前は北海道の十勝あたりで農業高校を出て、牛の乳を搾りジャガイモを掘り、百姓をしていたそうです。7年間、て、高校を出てから7年かな、子供時代にも家の手伝いはしてるはずだけどそれを含めてるのかな、まあとにかく、農家モノのエッセイコミック。や、職業ネタのこういうマンガはたくさんありますけれども、農業ネタはたしかに本邦初だと思います。

実を言うと、農業は私の人生の選択肢に入っています。まあ、優先順位は低いし、実現可能性としても難しいと思うけど、事と次第によっては農業をやってもいいと思う。価値のある仕事だと思ってます。
ふむ、農業の何に価値を認めているのか、というと、何だろうなあ。

食糧自給率のことは、あまり意識していません。たしかに大きな問題で、この本にしても巻頭第1話から「現在わが国の食糧自給率はわずか40%!!」なんですが、まあこれはー、40%の大半を支えていながらやっぱり軽んじられている北海道農民の憤懣で描かれているようですな。やってられんから北海道を独立させて日本には農産物を輸出しないことにしようとか第7話では言い出してるし。なんでも北海道だけなら食糧自給率は200%、十勝地方に限れば1000%に達するのだそうですよ。手元の統計資料を繰ってみたら、国内生産のうち乳用牛の5割、麦の約6割、ジャガイモの8割、小豆の9割が北海道産ということになってますね。なるほどたしかに、北海道が独立したら伊勢名産赤福も食べられなくなるわけです。
もっとも、そう言って編集者を脅しておきながら荒川さん、それなら「マンガ・アニメを北海道国へはいっさい輸出しませんのことよ!!」と反撃されてあっけなく引き下がったりしています。

や、どうだろ、北海道国でマンガ・アニメを自給するって、そこそこ実現可能な気もしますけどね。

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 『ダブルパティシエール!(2)』
 2010/05/21 12:47
塩見真一
野広実由 芳文社 ISBN978-4-8322-6846-3 2010年5月22日 定価:[本体619円]+税

右、森山まさこ。OLだったのが25歳で製菓学校に入り、卒業して街の洋菓子店でパティシエとして働く。製菓学校の先生だった彼氏とラブラブ中。
左、吉本かほ。大学を出て外資系に就職するはずだったのが会社がつぶれてしまいふてくされてニートしていたパティシエ見習い。親に反対されながらも洋菓子店でバイトしながら製菓学校に通っている。

……と、洋菓子職人(の卵)二人を主人公にしたストーリー4コマ。実はこれの前に、まさこ姉さんの製菓学校時代を描いた『パティシエール!』全4巻があったのですが、それも含めて完結だそうです。表紙でわかるように、ラストはまさこ姉さんの結婚式。製菓学校時代の仲間たちも出てきて、……むう、この子名前なんていったかなー、この子の就職もドラマティックだったんだけど、うむー、前作を掘り出さないといかんなー。

完結というのに本編だけで終わっていて、あとがきが無いのがどうも物足りないですね。なんか、前作のほうが面白かった気がする。
前作はあとがきに、野広さんの妹さんが通っている製菓学校……つまりそれがこの作品のきっかけだったわけですが……に取材に行った話とかあったりして、生徒さんたちのインタビューとか、本編より読み応えがあったりしました。

うんまあつまり『わたしの大切なともだち』の続き、私にとってもはやどうにもできない引け目である「職業技能を学ぶ」という話なんですよ。
……そっか、『百姓貴族』で農業高校の話を面白く思ったのもそういうことかもしれないな。
妹さんももう卒業されているはずですが、どうなさっているんでしょう。パティシエとして働いていらっしゃるんでしょうか。

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 「日本語のアクセント」
 2010/05/11 11:24
塩見真一
……という面接授業を先週末、松江まで行って受けてきました。
なかなか面白かった。まず1日めはアクセントを聞き取る・言い分ける練習と、東京式アクセントの基本法則、2日めは例外的なアクセントの法則と、歴史的なアクセント、方言アクセント。

んー、自分にはアクセントを聞き取る能力が欠けていることがはっきりわかった、のが第一の収穫ですかね。
正確に言うと、聞き取る能力ではなく、聞き取ったアクセントを書き出す能力です。たとえば「火が」「日が」と聞いて、もちろん聞き分けられるのだけど、そのアクセントを「高低」とか「LH」とかあるいは線を引いて書き表してみると、なぜかたいてい間違うんですね。自分で発音した言葉でもやはり、発音自体は正しいのに書き出すと間違っていたりする。
つまりどうやら、私の頭の中にはアクセントを音の高低に結びつける回路が無いらしい、アクセントが言葉にブラックボックス的に組み込まれていて取り出せなくなっているらしいです。ううむ、小中学校でアクセントについて学んだことが無いからか、もとから標準語話者で方言生活の経験がないからか、標準語ではなくニュータウン方言だからか。

60個の単語のリストに自分のアクセントを書き込み自分の方言の特徴をまとめること、という課題が出ているのですが、書き込んでみるとやっぱり標準語そのものなんでね。特徴もなにも書きようがないので、上のようなことを書こうかと思っています。

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 【読感】リトルプレスの楽しみ
 2010/05/09 02:16
みちる
柳沢小実 ビエ・ブックス ISBN978-4-89444-502-4 2006年1月15日 定価[本体1600円]+税

知人が今年読んだ本をブログでピックアップしていてそれが私の感性に近いなぁと感じたので未読の本を図書館でピックアップ

大雑把に言うと色んなミニコミの紹介です
かなり手の凝った本が紹介されてます
WEB的な物も含めて創造という物からちょっと離れてる私には痛かったりもします。

ミニコミ的な物を作りたいと思って15年 未だその一歩も踏み出せないでいるのですが
さて今作るなら私は何を作るのでしょうか

…という結局役に立たない事を思いはせてしまいました

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 名、姓、電子メール
 2010/05/04 19:56
塩見真一
世間がゴールデンウィークの間に……ウチの会社はお国の休日とは関係ないので……メインPCのWindowsを入れ直しました。このあいだ1月にWindows Vistaにしたばかりですけど、「画面デザイン」のコントロールパネルがクラシックWindows用のものしか出てこないとか、ディスク容量が不自然に食われているとか、いろいろ少しずつおかしいところがあるので、この際クリーンインストールしようというわけです。
#この際Windows 7にとも考えましたが、風邪気味でヨドバシカメラへ行く元気がなくて。

また例によってかなりどたばたして、どうも、画面デザインをAeroにするだけだったらグラフィックドライバをアップデートすれば済んだらしいのですが、だいたい普通の仕事ができる状態に戻すまでに1日半かかりました。だいたいってこともないな、いままで使っていたメーラーとバックアップツールがインストールの途中で落ちるので、至急代わりを探さないといけなかったりします。まあどちらもだいぶ古いソフトだったし、新陳代謝ということでそれくらいは受け入れましょう。

で、またいろいろと話のネタが出てきてるのですが、その中で、翻訳と順序に関する微妙な事例をひとつ。
←がそれで、Photoshop Elementsのユーザ登録ダイアログです。……て、読めませんよね。このダイアログには入力欄が5つあり、上から、国、姓、名、電子メール、電子メールの確認、と並んでいます。
国はちょっと意外ですが、姓・名・電子メールというのは、日本語としてまっとうな順序ですよね。
ところが、「塩見」と姓を入力し、次に「真一」を入力しようとしてtabキーを押すと、名欄を跳び越して電子メールアドレス欄にカーソルが移るんですよ。調べてみると、案の定、名、姓、電子メールの順になっている。つまり、日本語版へローカライズする際に、単語を置き換えさらに画面上の位置を日本語的に直したが、どういうわけかタブオーダーは直さなかった、ということらしいです。
ちなみにこの次の画面では住所を入力するのですが、画面上では郵便番号、都道府県、市区町村、郡、住所1、住所2、電話、という順序になっています。や、カーソルがどんな勢いでいったりきたりするか、想像に難くないですね。

タブオーダーだけをあえて英語順のままにしておく理由があるとは思えないので、単なる修正漏れだと思うんですが、しかし同じことがCreative Suiteのユーザ登録ダイアログでも起こったので(しかもそっちは名前と住所が1画面にまとめてある)、きっと偶然ではない、何かしらAdobe製品に共通の原因があるのでしょう。

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 Re: あざーす
 2010/05/04 10:50
塩見真一
>しかしやっぱりなんとかならんですかねこれ。

と、思うのはやっぱり、アドビのドキュメントなんて中身はこの程度さと言いたくなってるからですな。
この表のちょっと上に、こういう説明があるのです。
「言語コードは、言語の英語名に基づきます。例えば、hu はハンガリー語を示します。」

ちょっと待てよおい。ハンガリー語のすぐ上にあるドイツ語の言語コードはdeだぞ、英語名Germanにいったいどう基づいているって言うんだ。
オランダ語だって英語名ならDutchなのが言語コードはnl。簡体中国語Simplified Chineseのzh-CNも、繁体中国語Traditional Chineseのzh-TWも、スウェーデン語Swedishのsvもスペイン語Spanishのesもチェコ語Czechのcsも、英語名に基づいてなんかいない。

その他がxuになるくらいの例外ならあってもいいけど、20言語のうち7言語、35%があてはまらないのでは「言語コードは、言語の英語名に基づきます」なんてデタラメだとしか言えません。言語コードの由来なんて言っても言わなくてもいいことで、こんなデタラメを言うくらいなら言わないほうがずっといい。そういうことを言って、さらに翻訳して平気でいるというのはつまり無神経だし、つまりこの表の順序にしても無神経の結果こうなった、何も考えなかったから英語順のままになっているに違いないわけです。

と、いうことは、同じようなレベルのおかしさが他にもあちこちにあるだろうと推測されるわけで……、て、すぐ上にもありましたよ。
language: String [読み取り専用]
コンテンツが実行されているシステムの言語コードを指定します。
読み取り専用のものに「指定します」って説明、おかしいじゃんよ。

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 Re: あざーす
 2010/05/03 12:12
塩見真一
どうすればいいか、て、いきなり言っても、私がいったい何を問題だと思ってるのかわからないかもしれんですね。

この表をどうしたらいいか、言うまでもなく日本語らしい順番に並べ直すのがもっとも正しい処置です。イタリア語、英語、オランダ語……最後に「その他」。
単語を置き換えるだけでなくそういうところまで直すのがまっとうな翻訳であることは間違いありません。

しかし、そうすると英語版と日本語版に相違を作ってしまうことになり、将来これを修正・改版するときに厄介のもとになる恐れがあります。まあこの程度の分量ならたいしたことはないけど、これがもし数百行数千行あったとしたら、対応言語が増えたとか減ったとかとか英語が英語と米語に分かれたとかいった修正が入ったとき、原文と訳文の順序が違っていたら翻訳する人や結果をチェックする人の負担はかなり増えます。負担が増えれば間違いも増えます。
そういうことも考えると、どの言語でも同じ順序にしておくという選択はたしかにありえます。技術ドキュメントなんだから情報として間違っていないことが最優先、読みやすいこと美しいことはその後の問題ですし、原文で読む人が多数派なら翻訳版がけったいでも問題にしなくていいわけですし。

実際私が客先で携わっているドキュメントでも、これほどはっきりした問題はこれまでありませんでしたが、もうちょっと漠然とした文化の差……どことなく翻訳調の言い回しとか、なんとなく英文的な構成とか……は、そのまま翻訳する方針で進められています。

そんなわけで、チェコ語、デンマーク語、オランダ語……という順序もまあアリかなあとは思うのですが、しかしやっぱりなんとかならんですかねこれ。

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