ソフトウェア開発の世界には大昔から「KISS」という言葉があります。大昔と言うのは、えーとつまり、Windowsがまだ影も形もなかったころ、日本史にたとえると弥生時代くらいの大昔。そんな大昔から言われていたのは\"Keep it simple and smart\"、つまり「単純ですっきりしたつくりを保て」、ということ。 ソフトウェアを作っていると、ついつい余計な機能を付け足してしまう、凝ったしくみを組み込んでしまう、ごてごてぶくぶくしたソフトウェアができあがり、後々どうにもこうにも厄介なことになる……ということが起こるのですよ。実にしばしばそういうことになってしまうので、戒めとして、ごてごてさせるなぶくぶくさせるなということが言われているわけですが、もっと昔からあるはずの政治や税制の世界にはどうやらそういう戒めがないらしい。 イートインあたりはまだしも、おもちゃ付き菓子はどうするんだとかいう話になったら立ち止まり、KISSとつぶやいて深呼吸、設計に戻って考え直す……と、いうのがまっとうなソフトウェア設計者、だと私ゃ思うんですがねえ。